ペルセポリス
2005年 09月 07日
フランス在のイラストレーターのイラン人女性、マルジャンによって書かれたコミックブックで内容は彼女自身の自伝です。1969年生まれの彼女は10歳でイラン革命を経験しているんですが、激動のイランでの少女時代、また戦争が激しくなり、どんどん自由が奪われるイランを後に、14歳でオーストリアでたった一人で暮らした波瀾万丈な物語が、コミカルに描かれているんです。読みながら飾らない、人間らしく、気さくさが溢れる彼女にとても親しみを感じました。まるでもう彼女が自分の友達みたいに思えてきたんです。
とにかく、もともとはフランス語で出版され、そこでかなり高く評価され今では12カ国語に訳される程のベストセラーになり、ついに日本語でも出ました。
2巻にわかれていて、少女時代からオーストリアに14歳で旅発つまでが1巻に、そして、オーストリアでの生活からイランに戻って、またイランを離れるまでが2巻に。
これを読みながら一番印象的だった部分は、人間悲しく辛い時、泣けるうちはまだ余裕があるんです。絶望にたどり着くと後は、笑うしかないんです。ここから、人生の深みを感じました。
とにかく、もし興味がある方はどうぞ。